職員の理解と協力を得るためのコツ

職員の理解と協力を得るためのコツ

外国人職員の受け入れ環境づくりには、一緒に働く職員の理解と協力が欠かせません。
職員の中には、言葉や文化の違いに不安を感じる職員や、外国人に漠然とした苦手意識を持つ職員もいます。
まずは管理職がこのような職員の疑問や不安に対して明確な答えを持ち、職員へ丁寧に説明をすることが大切です。

前回のブログでは、管理職が確認すべき3つのこととして、外国人職員の受け入れ目的の確認、外国人職員の具体的な目標設定、職員の役割の明確化について解説しました。
(注:ここでいう管理職とは、外国人職員の受け入れに関する業務を統括する方を意味します。)

今回は外国人職員受け入れ時に「職員の理解と協力を得るためのコツ」について解説をします。
職員へ外国人職員の受け入れについて、会議や研修で説明し、職員皆で働きやすい職場環境を整えられるようにしましょう。

受け入れ目的を説明する

職員に外国人職員への理解を深めるには、何のために新しいメンバーとして迎え入れたかの目的を説明することが重要です。
経緯も共有すると関心が高まります。

例えば法人が、将来を見据えた人材計画として、外国人職員採用の必要性があると考えたとしても、一緒に働く職員がその目的についてしっかり理解していなければ、受け入れ後に不満や不安、悩み等が生じ、外国人職員と上手く協働していくことが困難となる可能性があります。

外国人職員を円滑に受け入れるためには、受け入れの目的、必要性などについて職員への説明機会を設定し、外国人職員受け入れに対する職員の不安の解消に努めましょう。

職員全体で認識を共有しておくことが大切です。

業務内容や目標、教育方針を伝える

外国人職員の業務内容や法人が期待する目標、教育方針を外国人職員と日本人職員に明示しておくことで、双方が上手く協働しやすい職場環境づくりにつながります。

明示しないと、職員間の認識のずれによるトラブルや不満を生じるだけでなく、法人が期待する目標を実現できない可能性があります。
また外国人職員は、役割が明確でないことで能力を十分に発揮できないだけでなく、不安を感じ、早期の離職につながる恐れもあります。

ある施設では、指導者の知らないところで、日本人職員が外国人職員に対し食事介助を指示していたり、立位が不安定な利用者の移乗介助ができるか試し、外国人職員の不安になっていたケースや、あやうく事故になりかけたケースがあります。

日本人職員には「自分は何をするのか」や「自己判断でやってはいけないこと」など、役割を理解してもらいましょう。
「聞いていないのに外国人が入職していた」と他人事になったり、「よかれと思って指示したのに」と行き違いのないように、タイミングを見計らい、丁寧な説明を心がけましょう。

目標に対してのある程度の期間や指導方法を説明しておくと、お互いが一緒に働くことを具体的にイメージでき、不安解消につながります。

たとえば、「入職1カ月目は日勤のみ、2カ月目で早出と遅出を経験し、早ければ3カ月目から夜勤のシフトに入ります」といったシフト上のことや、「1カ月目は利用者の身体に触れる介助を一人で任せない」など、業務上のことです。

実際に入職日か決まったら、具体的に教育計画と指導方法を説明しましょう。

日本語力や介護スキルに応じて任せられる業務内容について伝える

多くの日本人職員が不安に感じる点は言語の問題です。

外国人職員採用時には、現時点の日本語力だけでなく、人柄や業務適性、今後の日本語力の伸びしろなどを評価し、採用を決定しておられると思います。

介護職の場合、日本語能力検定のN3レベル相当の日本語力が望ましいと言われます。

それに満たない日本語力の人材を採用した場合には、その人材に決めた理由や、日本語力に応じて任せられる業務内容、今後の日本語学習サポートについて職員へ説明し、不安の解消に努めましょう。

日本人職員が外国人職員の文化や宗教を知る機会を作る

外国人職員への日本語教育だけでなく、日本人職員への異文化教育を行うことで、相互理解を促進することも大切です。

外国人職員の文化や宗教を学ぶイベントを企画したり、外国人とのコミュニケーション方法を学ぶ機会を設定したりするなど、日本人職員が外国人職員に歩み寄ることも重要なポイントです。

外国人職員は、文化の違いや宗教上の制限がある場合もあるため、個別の配慮や周囲の理解が必要なこともあります。

このような機会は、日本人職員の外国人職員への理解と関心を深めるだけでなく、外国人職員が職場環境になじむきっかけにもなります。

利用者やそのご家族に外国人職員の受け入れを説明し、理解を得る

職員の中には、外国人職員が利用者やそのご家族に受け入れられるかを心配する声もあります。

利用者は実際にサービスを受けるので、事前に声かけや案内をしましょう。
外国人職員が入職した際に、利用者には紹介し、関心や会話のきっかけを作ります。
多くの施設で、外国人職員が懸命に働く姿に喜びやお褒めの言葉をいただくとお聞きします。

ご家族や連携先には公式文書などのあらたまった方法でなくても、館内掲示や「施設だより」のような会報やWEBサイトに掲載するなど工夫しましょう。

まとめ

今回は、外国人材受け入れ時に「職員の理解と協力を得るためのコツ」について解説しました。管理職が職員全員に丁寧に説明することで、受け入れ体制を構築していきましょう。

次回は「STEP2:環境整備」をテーマにお届けします。

ぜひ楽しみにしていてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

~ ECCからのお知らせ ~

ECC外国人支援では、外国人材のための『日本語教育支援』や、外国人材の受け入れを検討されている施設様や現在受け入れている施設様を対象に、日本人職員様向けの『異文化コミュニケーション研修』を実施しております。

外国人材の受け入れ成功のカギは、一緒に働く職員の皆様の理解と歩み寄りです。

くわしくは→こちら

 

山本陽子 ~解説してくれた先生~

山本 陽子 先生
㈱ケア・ビューティフル 代表

介護職として従事した後、人材育成や職場環境づくりを支援。
また、留学生や外国人介護人材の教育担当も務める。
「書いて覚えて活用する!介護の日本語ドリル」など教材・著書多数。

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