外国人スタッフが抱えやすい悩みと回答例④
日本語・キャリア形成 編

外国人スタッフを雇用している企業にとって、彼らは大変な戦力となっているのでないでしょうか。
しかしながら、仕事上または仕事以外において、外国人だからこその悩みも抱えてしまうことが多く、その相談を誰にしてよいかわからないという声をよく聞きます。

そこで、外国人スタッフが抱える悩みにどういうものがあるのか、またそれに対する回答について解説いたします。
外国人スタッフから寄せられるご相談の中から、今回は<日本語・キャリア形成>に関するお悩みをご紹介いたします。

今後、外国人採用を考えておられる企業にとっても有益な情報となりますので、ぜひ最後までお付き合いください。

※Q1~Q4は「外国人スタッフが抱えやすい悩みと回答例①制度・雇用条件 編」をご覧ください。
※Q5~Q9は「外国人スタッフが抱えやすい悩みと回答例②評価・職場環境・人間関係 編」をご覧ください。
※Q10~Q13は「外国人スタッフが抱えやすい悩みと回答例③職場環境・人間関係 編」をご覧ください。

<日本語>

Q14:日本企業で長く働く予定なので、日本語検定N1は取得しておくべきですか?

検定のランクにこだわるのではなく、これから日本人の上司や同僚と今後一層コミュニケーションをとる機会が増えるので、日本語の運用能力を上げておいた方がよいのは間違いありません。

Q15:日本語がなかなか上達しません。どうしたらよいですか?

どの言語でも共通する方法ですが、ポイントはその言語を「使う」ことです。
日本の企業に勤めているならば、周りに多くの日本人がいると思いますので、普段からよく会話をしてコミュニケーションを取っていきましょう。

<キャリア形成>

Q16:自分自身のキャリア形成をどう考えていけばよいのかわかりません。

あなたが、日本で仕事をしようと思った頃の初心に立ち返ってみるのも、一つの方法です。
「こういうことを実現したい」とか「こういうことに貢献していきたい」など、考えていたのではないですか?
そして、そのためにはどういうスキルを身に付け、どういう経験を積めばよいのかを考えてみましょう。

日々の仕事が多忙で、当初の「志」を忘れてしまっているなら、とても残念なことです。

Q17:3年間営業を担当してきましたが、その経験を生かして、商品開発の仕事をしてみたいです。どうしたらよいですか?

やりたい仕事が明確になっているのなら、それは素晴らしいことです。
是非、ご自身の希望や夢を実現するよう努力していきましょう。
上司との面談で、「こういう仕事をしたい」と直属の上司や人事に伝えておくのは有効だと思います。

会社として必要な人員配置の問題もありますので、すべて自分の希望通りになるとは限りませんが、その場合でも、あきらめることなく、自分の希望を明示しておくことは大切なことです。

Q18:仕事が自分に向いているかわからなくなりました。どうしたらよいですか?

今の仕事のどこがあなたに向いていないと感じますか?
明確なポイントを挙げることができますか?

もし、はっきりしたポイントがあるなら、上司や先輩に相談すれば自分自身が納得する解決策が得られる可能性が高いです。
明確なポイントがない、又はわからないなら、適性として向いていないのではなく、現在の仕事がうまくいかず”不足感”を持っている可能性が高いです。

その根本的な原因を突き止めることで、解決に繋がるかもしれません。
もし、社内にキャリアカウンセラーがいたら相談してみたり、適職診断テストを受けてみたりするのも良いでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は日本語力とキャリア形成についてお答えしました。
日本での生活や仕事に慣れてくると、これからのキャリアプランに悩みはじめる方も少なくないと思います。

まずは自分が何を目指すのか、どんな働き方をしたいのか考え、その上で、目標達成に必要なスキルや経験について考えてみましょう。
やるべきステップを1つずつ確実に踏むことで、思い描く理想の自分に近づいていくはずです。

次回は、外国人スタッフのご相談の中から<転職・起業>のお悩みについてご紹介します。
ぜひ次回もご覧ください。

小坂晴彦  ~解説してくれた先生~

小坂晴彦 先生
桜坂社労士事務所 代表

メガバンクに約30年勤務。
その後、社会保険労務士や国家資格キャリアコンサルタント資格等を取得し、人材紹介をはじめとする人材関連ビジネスに従事中。

PAGE TOP