外国人材の採用面接。
「初めての取り組みで、何から準備を始めたらいいかわからない」
「今まで面接をしたことはあるけど、採用までなかなかうまくいかない」
このようなお悩みは、ありませんか?
自社のグローバル展開、ダイバーシティ推進、人手不足解消など、企業の新たな価値の創出や課題解決のため、優秀な外国人材を積極的に迎え入れる企業も増える中、このような悩みも身近になっています。
本記事では、今すぐ取り掛かれる「外国人材の採用面接前に準備すべき3つのこと」について解説をします。
筆者自身、企業での採用業務、外国人材の面接、留学生の就職支援の経験から、面接官の事前準備で面接の質が変わることを実感しています。
事前準備をしっかりしておくことで、落ち着いて採用面接の実施に臨むことができます。また、短い時間で応募者の確かめたいポイントを確認できるようになるため、スムーズに面接を進めることが可能です。
さらに、質問の仕方や内容により外国人材の話しやすさも変わるため、自己開示がしやすくなる場を作り出すことができ、価値観や強みを引き出すことにもつながります。
採用面接の事前準備を整えることで、応募者に聞きたいポイントや確認すべき点が明確になり、それらを引き出す質問の内容も設定することができます。
今日からすぐに実践できる方法を手に入れ、安心して臨める、面接の準備をしましょう。
外国人材を採用する目的を確認する
- 外国人材を採用する目的は何か
- 外国人材に期待することは何か
まずは、外国人材を採用する目的を明確にし、面接者自身が理解することです。
企業にどのようなビジョンがあり、そのために「なぜ外国人材が必要なのか」を深く理解することで、外国人材に求めることや期待することが明確になります。
例えば、将来海外での新しい市場開拓のため現地で交渉ができる人材が必要である、多様化する消費者のニーズに対応するため新しい価値観をもつ人材が必要である、などがあげられます。
このような企業ビジョンの実現のためには、「どのような強みをもつ外国人材の採用が必要なのか」採用の目的を明確化することが重要なことなのです。
面接で確認するポイントを決める
- 確認事項をリスト化する
- 評価項目を決める
次のステップでは、応募者に対して確認するポイントを決め、リスト化します。
これにより、慣れない面接の際も、必要な事項を抜け目なく確認することができます。
まずは、書類や資格など事務的な確認項目についてです。
例えば、在留カード、就労資格証明、日本語能力検定試験の結果、履歴書、職務経歴書などがあげられます。
必ず確認が必要な書類は、ひとつずつしっかり確認をします。
続いて、前述で明確にした外国人材を採用する目的に沿って、「応募者にどのような能力を求めるのか」評価項目を決めます。
例えば、チームを率いるリーダーシップ、海外市場の調査ができるマーケティング力、各分野の専門知識、などがあげられます。
評価項目を掲げるだけでは不十分で、それぞれの項目においてどのような要素を評価するのかを明確にする必要があります。
例えば「コミュニケーション力」であれば、他者を受容する力、自分を主張したり表現する力、など様々な要素があります。
そして、これらを個々の面接官が主観で評価することなく、数名の面接官が客観的視点で合否を判断できる基準の設定も、重要なポイントです。
このように、確認事項をリスト化すること、客観的指標で評価できる評価項目・評価要素・評価基準を決めることが大切です。
面接時に注意する点を確認する
事前準備3点目は、面接時に注意する点を確認する、ということです。
どれだけ事前準備を整えても、面接時に、面接官の何気ない言動で応募者に対して不信感を与えてしまっては、採用に繋げることはできません。
応募者が安心して選考に進めるように、下記の点に注意をします。
● 人種差別と捉えられない質問をする
国家間の問題に対する質問、宗教に関する直接的な質問は控えるようにしましょう。
食事への配慮、礼拝への配慮が必要かを確認する際は「お食事への配慮は何か必要ですか?」「礼拝の時間など、配慮は必要ですか?」などと確認をします。
「あなたの宗教はなんですか?」という直接的な質問は控えるようにしましょう。
● わかりやすく丁寧に回答をする
応募者の質問に対しては、明確な回答をしましょう。
特に、待遇・業務内容・勤務時間・残業・休日など人材の働き方に関わる点に関しては、わかりやすく、丁寧に説明をしましょう。採用後のミスマッチの防止につなげることができます。
曖昧な回答にはトラブルのもととなるため、注意をしましょう。
● 具体的な質問をする
例えば、スキルの質問に対し「できる」という答えが返ってきた際は、更に質問を重ねて詳しく確認をします。
具体的に「何が」できるか、「どれくらい」できるか、過去のエピソードと合わせて確認をするようにしましょう。
入社後の認識のズレを防ぐことができます。
本記事では、今すぐ取り掛かれる「外国人材の採用面接前に準備すべき3つのこと」について解説しました。
日本人の採用とは異なる点や、外国人材採用ならではの事前準備の重要性もおわかりいただけたのではないでしょうか。
トラブルを防ぎ、面接をスムーズに進めるためにも、採用する外国人材の国、文化的背景について普段からアンテナを張り情報を収集することも大切です。
外国人材の採用を検討されている担当者は、上記を参考に事前準備を進め採用面接に臨みましょう。
次回は、「外国人材の採用面接中に使える3つのコツ」をお伝えします。
是非楽しみにしていてください。